リトアニア・リネン シウラス社を訪問 2013.09

リネンを訪ねて

リトアニアのリネンメーカー Siulas社

ビラベックの羊毛敷ふとんの片面を綿からリネン麻に変えたら、夏も快適ではないかということでオリジナル品を作りかけたのが2007年のこと、最初は日本から麻の生地をドイツに送っていたのですが、さすがに運送費がばかになりません。

そこで1月のフランクフルト・ハイムテキスタイル見本市で、手ごろなリネン生地を織ってくれるメーカーがないかと探して当たったのがリトアニア・シウラス社です。リトアニアはもともとリネンのメーカーが多く、ヨーロッパのメーカーに生地を提供したり、工場として下請けを行ったりしていました。

Siulas社担当のクリスティーナさん

リトアニア・ビルニュス

リトアニアはバルト三国、古くはリトアニア・ポーランド大公国として繁栄し、第2次大戦中にユダヤ人に通過ビザを書きまくった杉原千畝が有名です。戦後はずっとソヴィエト連邦の支配下にありましたが、1991年に独立しました。

そうして訪れた首都ビルニュスは非常に美しい街。なによりゴミがほとんどないのが印象的です。

ビルニュスからバスで30分ぐらいにあるトゥラカイ城も湖の中の美しい城です。

ビルジャイ シウラス社

首都ビルニュスから車で2時間、お隣の国ラトビア国境に近いビルジャイにシウラス社の工場はあります。もとは貴族の館の跡地に作られているそうです。

早速、社長さんと担当のクリスティーナ女史(彼女は6か国語が堪能)と打ち合わせです。シウラス社の最大の強みは色糸の種類が非常に多く、しかも1ロットが180mという小ロットで製作ができます。この時は本麻敷パッド用に6色を25番手と40番手で用意しました。

ただいま商談中
色のバリエーションが非常に多い

迷うぐらいに色の見本が多いのです。これはヨーロッパの雑貨系のメーカーにギンガムやマドラスなどのチェックやストライプの生地を素早く小ロットで届けるためでしょう。

フラックス原料は元々はリトアニア産のものを使っていたものの、フランス産の方が品質が高いので今日ではフランス産を使用しているとのこと。

シウラス社は染色、紡績から製織、製品加工まで一貫して行えるのが特徴で、ビルジャイだけでなく、首都のビルニュスでも直営店を運営しています。

入荷した状態のスカッチングされたフラックス原料はフランス産です
ハックリング 原料を梳いて短い繊維やゴミを取り除く作業です
何回も行うとこのような行い、きれいになった正線が得られます
スライバーから粗紡糸を作ります
粗紡糸から潤紡(湿式紡績)によって精紡糸が作られます
仕上がった精紡糸
製織します。これはジャガード織機で複雑な文様柄を織ることができます
麻は糸切れが起こりやすいので、工場の中は湿度を上げるためにスチームがされています
織りあがった布は検反が行われチェックされます
仕上げの工程です
さまざまな製品加工も行っています

現在、ドイツ・ビラベック社で製造している当店オリジナルのリネン麻付羊毛敷ふとんに使用しているリネン麻生地はシウラス社でオリジナルで作ってもらっています。

おまけ ソ連時代のなごりがあちこち

1991年までソ連だったリトアニアには、ソ連当時の兵器が残っていて、飛行機を使ったテーマホテルや無料の軍事博物館なんてのもありました。

ミグ21とかミグ23とかスホーイとか・・・ 奥には管制塔らしきものがあったテーマホテル?
ビルニュスにあった T42?
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