ヘンプ60番手のカバーの試作をはじめました

麻のよもやま話

ヘンプ60番手軽量生地でカバーを作ります

2018年に中国のリネン麻の紡績工場を訪れた際に、これからはヘンプを重点的に取り組むということを聞いていました。中国の黒竜江省にヘンプ農場の特区を作り、麻薬成分をギリギリまで減らした品種改良のヘンプ(大麻)を育てているそうです。

ヘンプは一年草で生育がしやすい一方で、リネンに比べると紡績がしにくい繊維だそうです。実際別の麻メーカーではリネンと混紡でないと細番手は難しいという話を聞いていました。

ヘンプ100%60番手135cm巾の生地

そんな話でしたが、ヘンプ100%で60番手という細番手の生地が手に入ることになりました。残念ながら現状ではリネン麻よりコストが高いこと、糸の強度から135cm巾で作るのが精いっぱいとのことです。実は80番手もありましたが、仕上げ加工をすると一部で問題がおきたとのことで、安全策をとってまずは60番手からです。

ヘンプは中空素材なので、夏はリネンよりさらに涼しいことが期待できます。

とりあえずサンプルのカバーを作ってみる

サンプル生地を5mゲットいたしましたので、掛カバーを作ってみることにしました。現在加工中ですので、仕上がり待ちですが実際に使ってみてレポートいたします。

作って使ってみた感想は・・・

風合いはリネンに近いソフトな感じです。リネンと比べても、あまり違いが判りません。逆に硬い触感のラミーとは全く違った風合いです。使ってみても、リネンの60番手と良く似た感じでした。

問題はヘンプのコストが高いことです。ヘンプは

  • 中国で作るので人件費が安いはず
  • 当然、輸送コストも安いはず
  • 6年ごとに作ることができるリネンと違い、毎年育てることができるのでリネンより安いはず

のはずですが、現実にはリネン生地より高くなってしまいます。SDGs的には優れた素材とはいえ、リネンより高いのは解せません。

 

 

 

 

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